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更年期の冷え性

 投稿者:ドクター小川メール  投稿日:2009年10月 4日(日)11時44分42秒
  Q.58歳の家庭の主婦です.4,5年前から腰から下が異常に冷たく感じるように
なりました.今では暖かい季節でも腰にカイロを入れております.このごろのように
寒さが強いと,冷えのために十分な睡眠をとれず,家の中の仕事に気乗りせず毎日が
憂鬱(ゆううつ)です.内科や婦人科での検査では「更年期障害による冷え性」といわれ
ビタミンEなどを飲んでいますが症状はよくなりません.何かよい解決策でもあれば
教えて下さい.  (釧路市 匿名希望)

A.更年期女性の約60%の方が「からだの冷え」を訴えます.冷える場所としては
手足が最も多いのですが,この方のように腰から下半身に強く感じる患者さんも珍しく
はありません.しかし冷え性は更年期障害の時だけに現れる症状ではなく自律神経失調症
心身症(神経症),慢性貧血,甲状腺機能低下症などの場合にも見られます.

内科で,どの程度の検査を受けられ,その結果がどうだったかはっきり分かりませんので
,今回は「更年期障害」による冷えとしてお答えします.
生理が終わる前後の数年間が更年期といい,卵巣からの女性ホルモンの生産が極端に
低下します.

でも,身体には若さが残っているため「まだ必要だから頑張って作れ」という命令を出す
ホルモンが脳下垂体からどんどん分泌されます.
しかし,卵巣の反応が少ないため脳下垂体が張り切り過ぎて,そばにある自律神経系
のセンターの調子までおかしくしてしまいます.

この神経には環境条件に合わせて体温を一定に調節する働きもありますので,
その目盛りが高くなると「ほてり」,低くなると「冷え」として感じるのです.
対策としては,温めて血液の循環を促すことと,全身の熱(体温)を意識的に生産する
ことです.
お部屋の暖房や寝具での保温も大切ですが,少し無理だと思ってもスポーツなどで
身体を動かすことが必要です.また症状の異常に強い時はホルモン療法が行われます.

☆ 漢方ひとくちメモ ☆    「当帰芍薬散」
中年女性の冷え性は漢方薬におまかせ下さい.ふつう,軽い精神安定剤に漢方の
「トウキシャクヤクサン」を併せて飲むと2週間ほどで症状は軽くなります.
 
 

中年過ぎは不定愁訴のデパート 

 投稿者:ドクター小川  投稿日:2009年 8月31日(月)22時26分23秒
   Q.46歳の会社員(金融関係:男性)です.4年ほど前,管理職に昇進して以来,
勤務中に突然くらくらして,人の話が耳に人らなくなることがあります.
また理由もなく動悸したり,汗が出たり,頭痛も起こります.
先日,総合病院で精密検査を受けましたが,循環器,呼吸器,消化器の
いずれにも異常を認めず,精神科でみてもらうようにといわれました.
でも,仕事がら精神科には行きかねております.今後,どう対処していったらよいのか
アドバイスをお願いします.
        (札幌市 中央区 匿名希望)


A.「中年期は不定愁訴(つかみどころのない訴え)のデパート」と言われるように,
あらゆる自律神経失調症状の現れる時期で,それに関連した心身症
(ストレスと関連性の高い病気)もよくみられます.

 すなわち,消化器では胃・十二指腸潰瘍,循環器では高血圧,狭心症,
呼吸器では気管支喘息,過換気症候群,
内分泌・代謝系では糖尿病,甲状腺機能亢進症,肥満症,
神経・筋肉系では斜頚や書痙(指のふるえ)などが挙げられます.

 さらに,円形脱毛症,じんましん,メニエール症候群,腰痛,
顎関節症(動かした時に痛み,雑音を生じ開口障害を来す)など,
皮膚科,耳鼻咽喉科,整形外科,歯科の領域までに及び,
まさしく病気のデパートさながらです.

 きて,この方は,まだこれらの病気にまで至らぬ段階でのご相談ですから,
精密検査で異常のなかったことを,まず好運だと思って下さい.
そして今後は,本格的な心身症への発展を予防するような生活管理を続けましょう.


 中年以降の自律神経失調症の基盤には,全身の老化に伴う体力の衰えがあります。
すなわち「意欲はあっても身体がついていかない」といった状態で,
若い頃はバリバリ仕事が出来,有能な社会人であるほど,その悩みは大きくなります.

 私の周囲にも不定愁訴を背負って働いている中年過ぎの人が大勢おいでです.
こういう方は,外見上ひ弱でストレスに強くないタイプは少なく,
むしろ頑張っている人,てきぱき仕事をこなしている人に多いようです.(過剰適応)

 無理をしていても,本人は気がつかない.休みたいとか,遊びたいといった欲求を
長いこと抑え続けた結果,日常生活で素直に喜怒哀楽の感情を表現できず,
身体の不調として訴える状態(共感情言語症)に陥るのです.

 週休2日制の社会では,とかく管理職に残業や休日出勤,
さらに単身赴任などを強いることになり,そのため家族間のコミュニケーションは
うまくとれず,大切なくつろぎの場まで奪われています.

 中年を過ぎたら,まずは恐れずに「己を知る」ことです.
病気の有無,体力の限界,人間関係などについて客観的に把握します.
健康診断で慢性疾患あるいは将来なりそうな病気が指摘されたら,
できるだけ早期に医療を受けましょう.

 次に,その人の体力や気力に応じた仕事や趣味を楽しむ努力をします.
面倒はできるだけ他人に押しつけて,ある程度の「ずぼら」になりきることです.
「疲れたら休む」,「安請け合いはしない」のが長持ちのポイントになります.

 人間関係で最も大切なのは家族との交流です.
中年を過ぎると,たいてい子供は思春期,妻は更年期で付き合いずらい年頃,
本人はとかく「家庭の粗大ゴミ」的な存在になりがちで,
こういう時は愚痴を聞いてもらえる友人が必要です.

2.漢方アドバイス 「柴胡加竜骨牡蠣湯(サイコカリユウコツホ“レイトウ)」
中年からの不定愁訴では精神安定剤(抗不安剤)や自律神経調整剤が使われますが,
精神科医に症状,生活環境の不満を話して,適切な助言をいただくだけでも
気持ちは軽くなるものです.特定の病気を認められない人には漢方薬も有効で,
通常「柴胡加竜骨牡蠣湯」がよく使われています.
構成生薬の柴胡(セリ科:ミシマサイコの根)は胸から上腹部にかけての欝熱を去り,
竜骨(古代哺乳類の化石)はイライラした気分を鎮め,
茯苓(サルノコシカケ科:マツホド)は体液の新陳代謝を促します.
また,連用により色々な生活習慣病予防効果も期待できます.

3.お年寄りの知恵袋    「たぬき寝入りのすすめ」
何となく体調不良の人は,時々意識的に目を閉じて腹式深呼吸を繰り返しましょう.
これは精神活動に必要な酸素を供給し,気分を冷静に整えてくれます.
 

イビキの大研究

 投稿者:ドクター小川メール  投稿日:2009年 5月19日(火)09時03分13秒
   最近になって,うちの奥さんは睡眠不足,その原因は老化の徴候が著しい
連れ合いのイビキのためとか,深酒を続けたわけでもなく,のどや鼻,呼吸器に
異常があるわけでもなし,でも責任を痛感してイビキの傾向と対策について
大研究をすることにしました.

 統計によりますと,日本人の大人で毎日のようにイビキをかく常習者は52%で,
その一割が大イビキだとされています.
単純に計算しても,全国でおよそ50万人の方が家族の睡眠妨害の原因になって
いるということです.

  「大イビキ者」の年齢を調べますと,60歳前後が最も多く,次いで50歳前後
であり,若者には意外と少ないのです.
性別では,かって男性に圧倒的とされていましたが,このごろでは女性のイビキ音源も
増加しているようです.

 イビキは,睡眠中にノド,鼻,口などの上気道から発生する呼吸性の騒音で,
それぞれ構造の違いや姿勢などの条件により,その音色や高低,大小などが決まります.
そして,他人に迷惑をかけるのは音の大小よりも,その持続時間が問題になるといいます.

 専門家のお話しによれば,イビキが長いこと続くと,他人の睡眠妨害になるばかりではなく,
本人の健康にとっても大変よろしくないとのこと.
その例として心臓にトラブルのある患者さんのほとんどに大イビキが認められると申します.

 確かにイビキ呼吸の場合,その合い間に息の止まっている時間がけっこうありますから,
次第に血液中の酸素の量が欠乏してまいります.

 そこで,時々ため息のような深呼吸を繰り返すのです.これを連続していれば
健康を損なうのは当然でしょう.

 昔から「イビキのひどい人は長生きできない」と言われておりますが,
このような理由からも理解できそうです.
また上気道の構造や病気によるイビキは,小さくても耳ざわりで奇妙な音が多く,
このような方は耳鼻咽喉科での検査を受けるべきです.

 一般に,イビキは上気道の抵抗のほか,飲食物の種類や量,室温や湿度の高低,
心身の疲労,不適当な寝具による睡眠姿勢などとも深く関係しております.
身体と睡眠環境のチェックをし,早めにイビキ対策をしておくことは
長生きにもつながりそうですね.
 

腋臭症について

 投稿者:ドクター小川  投稿日:2008年12月 8日(月)23時03分16秒
                    多汗症(腋臭症)

Q.23歳の会社員(女性)です。ひどい汗かきで、特に脇の下に多く、強い臭いを発して悩んでいます。いわゆる「わきが」といわれるものではないかと思われますが、どうでしょうか。手術で治ると聞きましたが本当でしょうか。耳あかは、いつも湿っています。
   (札幌市 西区 匿名希望さんほか多数)

A.「耳あか」が、いつも湿っているということですので、ただの多汗症ではなく、わきが(腋臭症)に間違いありません。かきがは優性遺伝の現象で、脇の下のアポクリン腺の活動が盛んで、その分泌物が特有の体臭の原因になります。

 その遺伝因子は、耳垢が軟らかい(猫耳とかダレ耳と呼ばれる)という性質も決定しますので、この点が腋臭症診断の重要な目安となります。

 アポクリン腺という名は、腺の分泌の仕方を現す名称で、離出分泌腺と訳され、細胞の一部がちぎれて分泌物となるため、固形成分を含み、濃く、したがって臭気のある点が、細胞膜を通して液体だけが分泌される汗とは異なっています。

 アポクリン腺も汗腺と考えられていましたが、性ホルモンの産生が盛んになってから活動を開始することから、最近、麝香(じゃこう)などと同じような、異性を引きつけたり、縄張りに印を付けるのに役立つ香腺の一種と考えられるようになってきました。

 アポクリン腺の分泌物は、分泌された時には悪臭がなく、皮膚の表面に出てから細菌に分解されて悪臭を発するようになるといわれていますが、事実は、必ずしもそうでないようです。腋臭の頻度には人種差があり、黒人・白人・黄色人種の順で少なくなります。

頻度の少ない日本人では病的と考えられ、かって手術が行われましたが、現在では、欧米で病的と考えないものを日本でだけ病的と考える必要がないという考えが浸透して、原則として皮膚科では手術を行っていません。

2.暮らしのアドバイス 「わきがの生活管理」
ご相談の場合、とりあえず、脱臭スプレーを用いたらいかがでしょうか。制汗、殺菌作用をもったスプレーやロール・オン式の液剤が多数市販されています。

ただし、1回のスプレーで1日中効果の持続するものはありませんので、朝に1回、午後に1回使うようにすると、日中ほとんど人に気づかれずに済むはずです。

とにかく気になったら,わき毛を剃り、毎日入浴してよくで洗い、汗をかいたら早めにウェットティッシュで処置します。

外出時やオフィスでは、化粧室に行き、消毒用アルコールを脱脂綿に浸して脇の下を拭く方法は簡単で効果的です。消毒用アルコールは薬局で買えますから、それを香水瓶などに小分けして携帯するとよいでしょう。

皮膚を清潔にし、下着をよく取り替えること、ニンニクなど臭気の強い食べ物を控えることも必要な注意です。ハーブティーとしては、制汗作用のあるセージ(サルビア)がおすすめ。アイスティーにしても美味しいですよ。

 ワキガを治療するために、腋の下のアポクリン腺を皮膚と一緒に切除する手術や、腋毛1本1本ずつ抜いて、電気分解により毛の根元のアポクリン腺を破壊する方法もあります。しかし、できる限り日常生活の中で腋の下を清潔に保ち、臭いは防臭剤で消すといった方法をおすすめします。

3.お年寄りの知恵袋 「わきが体質の漢方薬」
ワキガなど体臭を消すのに即効的な漢方薬はありませんが、色白でポッチャリとした汗かきの人には「防已黄耆湯」をすすめ、症状のよくなる場合も多くみらます。

東洋医学では、発汗に伴うお肌や関節のトラブル(腫れ、痛み)は、全身の血液循環と水分代謝の障害の結果として現れると考えます。防已黄耆湯の主薬である防已(ツヅラフジ科:オオツヅラフジの蔓、根茎)には水分代謝を促す働きがあり、黄耆(マメ科:キバナオウギの根)は全身の水分の調節作用のほか、性ホルモン系や自律神経系に対しても影響を及ぼすとされています。

さらに血液の流れを円滑にする生姜(ショウガの根茎)なども加えられています。このクスリが合うと、ほぼ1カ月ほどで効果が現れ苦痛は軽快します。

ワキガの臭い消しで有名なのは焼き明礬(薬局で売っている)です。粉末になったものを、1日2~3回、脇の下にすり込み、10分ほどたったらタオルで拭き取ります。(下着に着色するから)

また、入浴後クルミの実をすりつぶしたものをすり込んでも効き目があるそうです。
 

ワキガについて

 投稿者:コロコロ  投稿日:2008年12月 7日(日)18時06分37秒
   正直、自分の脇のにおいで目がいたいのですよね。今はロートのリフレアが効いてるので良いのですが、サボるとダメですね。なんか良い方法ないですかね。  

中性脂肪についてのQA

 投稿者:ドクター小川メール  投稿日:2008年10月15日(水)10時09分54秒
  Q. 夕食の過食や夜食をすると、中性脂肪が高くなりますが、なぜ高くなるのかがわかりません。

A.中性脂肪は水に溶けないため、血液中には水溶性のリポ蛋白(カイロミクロン)のタイプで存在します。カイロミクロンの消長は食事や飲酒などを受けやすく、摂取後、直ちに増加しますが、次々とリポ蛋白リパーゼという酵素で分解され6時間後には正常値に戻ります。(代謝系の異常や病気のない限り)ですから検査は、通常食後6時間以上経ってから行います。
これは、飢餓に対応するための生体反応で、必要であれば皮下脂肪として蓄積されるのです。(その主役は肝臓)

Q.糖尿病でインスリン抵抗性の場合、LPL活性化を低下させるということですが、あまりよくわからないため、教えてください。また、インスリン抵抗性による高インスリン血症によっても高くなりますが、どのような理由で高くなるのか教えてください。

A.健康な人と比べて糖尿病の人では、同じ量のインスリンを注射しても糖尿病の人のほうが下がりにくく、また軽症の糖尿病と重症の糖尿病ではやはり重症のほうが血糖値が下がりにくいことから、インスリンが効きづらいことが糖尿病の本態のひとつであると考えられ、この事実を「インスリン抵抗性」といいます。(使用されないインスリンも増えます)
LPLとは、リポ蛋白リパーゼのことで、全身の毛細血管内皮細胞の表面に存在し、中性脂肪に富むカイロミクロンを分解して、蓄積しないように働きます。血糖値の上昇や極度の肥満で、血液中のブドウ糖やカイロミクロンが多くなりすぎ、処理能力を超える場合を活性化の低下といい、中性脂肪の代謝に障害が起きてきます。これがメタボリック症候群に繋がっていくのです。(肥満、動脈硬化症、糖尿病、高血圧、高脂血症など)

 これらについて、現在、最先端の研究により複雑なホルモンやサイトカインのネットワークや脂肪細胞を介した発症と進展の病態生理が明らかになりつつあります。

Q.中性脂肪についてではないのですが、膝の打撲で入院し、検査しました。尿素窒素BUNが入院時47mg/dlありましたが、一週間で10mg/dlに下がりました。どんな理由が考えられますか?教えて下さい。

A.尿素窒素は、新陳代謝の結果、タンパク質の燃えかすとして腎臓から排泄されます。
生理的に、激しい運動、外傷などで、身体組織(タンパク質)の崩壊時にも、中等度の上昇が見られ、組織が修復されると正常値に戻ります。
 

中性脂肪について

 投稿者:ぎんメール  投稿日:2008年10月12日(日)09時06分10秒
  夕食の過食や夜食をすると、中性脂肪が高くなりますが、なぜ高くなるのかがわかりません。

糖尿病でインスリン抵抗性の場合、LPL活性化を低下させるということですが、あまりよくわからないため、教えてください。
また、インスリン抵抗性による高インスリン血症によっても高くなりますが、どのような理由で高くなるのか教えてください。

中性脂肪についてではないのですが、
膝の打撲で入院し、検査しました。尿素窒素BUNが入院時47mg/dlありましたが、一週間で10mg/dl下がりました。どんな理由が考えられますか?教えて下さい。
 

仮面うつ病

 投稿者:ドクター小川  投稿日:2008年 7月25日(金)22時20分54秒
  .はびらく様

「気分がとても悪い」,「精神的な落ち込み」といった精神症状を「うつ状態」といい,中年期以降初老期の人にしばしば見られ,男性よりも女性に多くて(更年期うつ病),日ごろ陽気で几帳面という性格的特徴も認められます.

 気持ちの落ち込み症状は,特に朝方から午前中にかけてひどく,夜になると幾分楽になります.「何をするのもおっくう」,「何となく悲しい」という感情とともに,多くの身体的な苦痛に悩まきれます.(仮面うつ病)

 すなわち,ほとんどの患者さんは,睡眠の障害(寝付きが悪い,睡眠が中断する,早朝に日が覚める),頭重,肩こり,胃のもたれ,おなかの張った感じ,食欲不振,便秘または下痢,どうき,めまいなどを訴えます.

 熟年期後半から中年期、初老にかけては,社会的な立場から,さまざまなことがらで神経をすり減らし,身体の方にもそろそろ衰退現象の目立ってくる時期ですから,僅かなことをきっかけにして「気分の落ち込み=うつ状態」になりやすいのです.

 「うつ症状」は困ったこと,悲しい事件(身内のご不幸など)ばかりでなく,住宅の新築,転居,昇進,子供の進学や結婚など,他人からみれば「喜ばしいこと」さえも発病のきっかけになります.(一応の決着がついてから現れる)

 ご相談の奥様は,この精神状態のスランプから自力で脱出しようと頑張っておられるようですが,できるだけ早めに精神科医の助けを求めるべきでしょう.現在では,すぐれた抗うつ剤(落ち込みを消す薬)がいろいろあります.

 抗うつ剤は身体的な症状に合った内科の治療薬(胃薬,消化剤,鏡痛剤など)といっしょに専門医の指示通り正しく使い分ければ非常に効果的で,副作用の心配もそれほどございません.ふつう3カ月くらいで脱出が可能です.

漢方薬としては、第一に「女神散(にょしんさん)」を試してみたい症例です。
比較的体力があり,不眠,頭痛,肩こり,めまい,どうきなどの訴えを参考にして,この方には「女神散」をすすめます.東洋医学でうつ状態は,気(精神),血(循環器),水(代謝系)のすべての働きが沈滞して起こると考えます.この処方には気分の停滞をめぐらして気うつを去る,香附子(カヤツリグサ科:ハマスゲの塊茎),桂枝(クスノキ科:ニッケイの樹皮),丁子(フトモモ科:熱帯産チョウジの花),木香(キク科:インド産モツコウの根),血液循環の不良によって起こった熱や炎症をとる当帰(セリ科:トウキの根),川弓(セリ科:センキュウの根茎),黄ごん(シソ科:コガネバナの根),黄連(キンポウゲ科:オウレンの根茎),甘草(マメ科:カンゾウの根),胃腸の働きを高めて体調を整える人参(ウコギ科:オタネニンジンの椒),朮(キク科:ホソパオケラの根茎),檳榔子(ヤシ科:ビンロウジュの種子)が含まれています.なお,さらに体力の低下している人では「加味遥遠散」に変方するとよいでしょう.(男性にも可)
 

ふわふわめまい

 投稿者:はぴらく  投稿日:2008年 7月22日(火)08時48分37秒
  はじめまして。40歳の主婦です。3ヶ月ほど前からふわふわめまいと気分の落ち込み、頭重感、不眠、首・肩の凝り、下痢などに悩まされ、心療内科を受診したところ「不安の身体化」、いわゆる自律神経失調症と言うことでした。抗不安剤・睡眠薬を処方され1か月ほど飲みましたが、特にめまいや頭重感が強く、気分の落ち込みも度々あります。そこで漢方薬を是非試したいと思っております。胃腸はあまり丈夫な方ではなく、体型は中肉中背です。(身長160cm、体重50kg)。検査の結果女性ホルモンのほうは問題ありません。どのような漢方が考えられるでしょうか?教えてください。よろしくお願いいたします。  

寝違えと同じ症状

 投稿者:ドクター小川  投稿日:2008年 7月12日(土)23時47分35秒
  たんたん様

.私と同年輩の方からのお便りです。われわれは、残念ながら年齢的に骨の弾力性(強度、固さ)が減少し、筋肉の柔軟性や回復力も低下しています。そのため、急に激しい運動をすると骨やスジ(筋肉)をいためやすいのです。

 「寝違い」になると、朝起きたときに首が痛くて回らず、後頭部から肩にかけて激しい筋肉の緊張や痛みのため、一定の位置に固定される状態、すなわち斜頚位(首が左右どちらかに曲がる)をとることが多いようです。

 その詳しい成り立ちについては不明ですが、睡眠中や生活動作のの不自然な姿勢により、首のまわりを走っている神経の周囲に小さな出血が生じるためではないかとも言われております。しかし、この現象は必ずしも寝ている場合に限らず起こります。

 この方のように、余り使わない首の筋肉を急に動かしたり、過度の精神的な緊張により、筋肉の痙攣(こわばり)が起こりやすいのです。

 私にも、かって散歩のため一歩外に出た途端「寝違い症状」となり大騒ぎした経験があります。急な寒さも要注意、そのような理由からのスポーツでも準備運動として首から肩にかけての体操を欠かせません。

 ところで「寝違い症状」の本体は、主に首の後ろ両側にある僧帽筋と、横首の後ろ上から鎖骨の内端に向かって走る胸鎖乳突筋の痙攣(突っ張り)によるものですから、応急手当としては、第一にこれらの縮んだ筋肉を緩めることです。

 すなわち、ホットパック(ホカロンのようなもの)か蒸しタオルを首に巻きつけ、その上をビニールの風呂敷などで覆って仰向けになり、10~20分間よく温めます。たいていは、間もなく筋肉の緊張がほぐれ、痛みも和らいできます。

整形外科では、元になっている病気や異常(変形性頚椎症、頚椎板ヘルニアなど)の有無を確認し、湿布や固定などの物理療法のほか、鎮痛剤、筋弛緩剤、精神安定剤などを服用させ、時には手術の必要性の是非も検討します。

 一般に、筋肉の痙攣だけの場合には、温湿布のあと横首から肩にかけて、指先で小さな輪を描くようにマッサージをし、同じ部位を上から下へと指圧します。そのコツは「気持ちのよい程度から我慢できる強さまで」に止めることです。

2.漢方アドバイス      「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」
痛みの激しい急性の筋肉痛に対しては、とりあえず漢方の「芍薬甘草湯」を服用します。芍薬(ボタン科:シャクヤクの根)と甘草(マメ科:カンゾウの根)2種類の生薬で構成され、まことに単純な処方ですが、それだけに即効的で麻薬にも匹敵する鎮痛作用を認めます。芍薬に含まれるベンゼン酸などは、筋肉の緊張を和らげ、甘草は痛み(神経の過敏状態)を鎮めます。「寝違い」、「ぎっくり腰」、「こむらがえり」の救急薬として便利です。痛みが軽くなったら、柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)の連用がおすすめ、この処方の精神安定作用と血液循環促進作用から、特に、ふだん神経質でイライラしたり、怒りっぽい中高年者の運動不足による筋力低下を予防します。[小柴胡湯:呼吸器、肝臓など上半身の内臓の障りを緩解、桂枝湯:表在性の炎症を鎮めて、体内外を調和する]
 

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